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ふるさとの銘菓

    第33回 安永餅(やすながもち)(三重県桑名市)

    2016/02/25

     東海道五十三次の宿場として栄えた桑名。安永餅は桑名宿を通る参勤交代の大名やお伊勢参りの旅人に親しまれていた名物餅だ。つぶ餡が入った細長い餅を焼いたもので、その形から「牛の舌もち」とも称されていた。
     寛永11年(1634)創業の永餅屋老舗は、国産の餅米と小豆を用い、当時の製法で作り続けている。長さ15cm、幅3cmほど。薄くて平たい餅の表面にはうっすらと焦げ目が。噛むとなめらかに伸びつつも歯切れがよく、香ばしい風味が広がる。夏や冬で餅のつき方を変え、焼き加減も両面で微妙に変えているのだとか。皮の隅々まで餡が行き渡り、甘さ控えめな餡と柔らかな餅とのバランスが絶妙だ。添加物を一切加えていないので日持ちはしないが、その分、素材のよさや作りたてのおいしさを味わえる。餅が固くなったら、フライパンなどで軽く火にあぶると香ばしくなり、また違った食感を楽しむことができるという。多くの人々に愛され続ける素朴な味わい。ブライダル用の紅白安永餅などもある。

    永餅屋老舗(ながもちやろうほ) 
    ご注文・問い合わせ 0594-22-0327
    (メール受付あり)
    三重県桑名市有楽町35
    営業/8時~19時30分(売り切れ次第閉店) 
    定休日/無休 
    安永餅 10個入り1,180円
    http://www.nagamochiyarouho.co.jp/