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ふるさとの銘菓

    第29回 翁飴(おきなあめ)( 新潟県上越市)

    2015/10/24

     寛永元年(1624)の創業以来、飴一筋の老舗。初代が粟を原料とした水飴を作ったのが始まりだ。これを4代目が原料をもち米に変え、日本で初めて淡黄色で透明な水飴を作ることに成功。その名を全国にとどろかせた。翁飴はその水飴に寒天を加えて固め、乾燥させたもの。作り立ては角が痛いくらいに硬いというが、日が経つにつれ、空気中の水分を吸って軟らかく食べやすくなる。390年にわたり、手作りで受け継がれ、現在で14代目。一番気を遣うのは乾燥具合。夏は軟らかく、冬は硬くなりやすい。それをいつ食べても同じように、職人が手触りなどを頼りに長年の勘で微調整する。
     うっすらと雪化粧したような繊細な姿。モチモチとした食感で、淡白ながら、噛みしめるほどに奥深い風味が広がる。キラキラと光る透明な断面も美しい。約2カ月と長期保存もできる。
     箱や包装紙には同店の繁盛ぶりを記した江戸時代の作家、十返舎一九の著作が描かれている。時代を超えて愛される、伝統の逸品だ。

    高橋孫左衛門商店
    025-524-1188 
    新潟県上越市南本町3-7-2 
    営業時間/8時30分~19時
    定休日/水曜 
    翁飴12個入 821円〜