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ふるさとの銘菓

    第79回 青丹よし(奈良県奈良市)

    2022/02/26
    千代乃舎竹村 
    ご注文・問い合わせ 
    TEL0742-22-2325
    奈良県奈良市東向南町22 
    営業時間/10時~16時 
    定休日/木曜
    青丹よし 6個入り 1,390円

     創業約320年の歴史を誇る千代乃舎竹村は現在の当主で16代目。春日大社や東大寺など多くの社寺の御用をつとめ、奈良の歴史と文化にちなんだ菓子作りを続けてきた名店だ。その代表銘菓が落雁の「青丹よし」。もともとは葛粉と砂糖を使った真砂糖という菓子で、江戸時代に法隆寺に滞在中の有栖川宮に献上したところ喜ばれ、奈良の枕詞にちなんで命名されたという。
     和三盆糖と吉野本葛、寒梅粉を混ぜた生地を木型に入れて押し固め、短冊形に切る。機械に頼らず、すべて手作り。生地の厚さや押し加減、乾燥具合など工程の一つひとつに職人の技が光る。若草色と薄紅色の美しい色合い。斜めに流れる白い筋が霞たなびく古都の面影をしのばせる。さらりとした口溶けと上品な甘さ。口に残る深い余韻がお茶の味わいをさらに豊かにしてくれる。
     お土産やお茶席などで人気だが、関東からの注文も多いとか。伝統の味を大切にする一方で、新しい菓子作りにも力を入れる。バター風味の「さるさわの月」が好評という。