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ふるさとの銘菓

    第22回 鶏卵素麺(福岡県福岡市)

    2015/03/06

     菓銘のとおり、卵をたっぷり使って素麺状に仕上げた和菓子。つややかに輝く黄金色と上品な味わいは、日本三大銘菓の一つに数えられている。起源は安土桃山時代に長崎に伝来した南蛮菓子。松屋の初代・利右衛門が中国人の鄭氏から伝授され、1673年の創業と同時に製造を始めた。時代に合わせて甘さは控えめになったが、製法は当時と変わらず、手作業のままだ。

     材料は卵黄と砂糖だけ。卵によって色が変わるので、九州産の中でも選りすぐりのものを使用しているという。砂糖を溶かした糖蜜の中に、底に穴があいた筒状の道具で卵黄を流し込み、糸状に固まったところを箸で引き上げる。これを何回か繰り返して重ねる。甘さを吸わせつつも煮過ぎないよう、引き上げるタイミングや素麺状にまとめるのが職人の腕の見せどころだ。

     シャリっとした糖蜜の歯触りのあと、口の中でホロホロとほどけながら、まろやかな甘みと卵の風味が広がる。食べやすい大きさにカットして龍皮昆布で縛った「たばね」も人気。


    元祖鶏卵素麺 松屋本店
    092-812-6141
    福岡県福岡市西区橋本2-1-4
    営業時間/月~土9時~19時
    日・祝9時~18時
    定休日/無休
    鶏卵素麺(大)1本入り1,080円