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ふるさとの銘菓

    第19回 家伝ゆべし(福島県郡山市)

    2015/03/06

     ゆべし(柚餅子)は本来柚子の実を使った菓子だが、地方によって形も作り方もさまざま。東北地方のゆべしは、柚子ではなく、クルミなどを入れた四角形が一般的。しかし、「家伝ゆべし」は同じ東北でありながら違う分類といえるほど、独自のゆべしを確立している。

     なんといっても特徴的なのはその形だ。鶴が翼を広げたような独特の形は、三春城主・田村義顕公の祖先である坂上田村麻呂が2羽の丹頂鶴に育てられたという故事に由来する。

     上新粉に砂糖やタレなどを加えた生地を蒸してあんを包み、特徴ある三角の形に成型。一晩寝かせてから、さらに20分蒸し、20分冷却すれば完成だ。二度蒸しすることで深みのある、透き通ったべっ甲色になるのだという。北海道産小豆を使ったあんは口どけがよく、甘さもすっきり。もっちりした生地は、表面にまぶしたケシの実がアクセントに。

     1860年の創業と同時に創製され、機械化が進む今も変わらぬ味を届ける。手土産としてだけでなく、お取り寄せとしても人気。


    かんのや 本店文助
    0247-62-2016
    福島県郡山市西田町大田字宮木田39
    営業時間/9時~18時30分(冬季は18時まで)
    定休日/無休
    家伝ゆべし6個入り 648円