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ふるさとの銘菓

    第15回 オランダせんべい(北海道根室市)

    2015/03/06

     煎餅というとパリっとした食感が一般的だが、このオランダせんべいは独特の食感が持ち味だ。口当たりはしっとりだが、モチモチして噛みごたえがある。ほんのりした甘みはどこか懐かしく、飽きがこないおいしさだ。

     名前の由来は長崎の「おらんだ焼」に似ているから、など諸説ある。昭和25年創業の端谷菓子店によると、当初はパリパリだったが、お客さんの要望を聞くうちにしっとりした菓子になったとか。

     直径15センチほどの円形で一見ワッフルのよう。小麦粉、黒砂糖などを混ぜた生地を専用の焼き型に流し込んで焼く。2個つながって焼けるのでハサミで切り、ミミを落として形を整える。型をひっくり返す回転速度によって生焼けになったり、バリバリになったりするので、絶妙の焼き具合に仕上げるのは職人ならではの技だ。

     昔の映画館では、音がしないという理由でポップコーンの代わりにオランダせんべいが人気だったという。素朴でだれにでも愛される根室名物は、昔も今もおやつの定番である。


    端谷菓子店
    0153-23-3375
    北海道根室市手島町2-11
    営業時間/8時~17時
    定休日/日曜・祝日
    オランダせんべい1袋4枚入250円(税込)