第14回 つきいれ餅(宮崎県宮崎市)
2015/03/06宮崎県は古事記や日本書紀に記された日本誕生にまつわる日向神話の舞台。このつきいれ餅も、神武天皇が東征する際、出発が早まったことに慌てた村人が餅をつき、小豆を入れて献上したのが始まりといわれる。今では「つき」を「入れる」という語呂合わせから、縁起物としても喜ばれているという。
九州産の餅米と砂糖、小豆、水飴などを練った求肥状の餅をベースに、小豆入りと宮崎特産の日向夏入りの2種類がある。なめらかな肌触りの餅は柔らかく、甘みはほんのり。小豆入りは求肥から透けて見える豆が何とも奥ゆかしく、ほっくりとした豆の食感がアクセント。日向夏入りは夏みかんの皮を刻んだジャムを練り込んであり、爽やかな香りが口中に広がる。
明治13年の創業以来、郷土の歴史に因んだ和菓子を作ってきた金城堂だが、昨年末には宮崎大学農学部とのコラボ商品として、大学産の生乳を生地に練り込んだ「宮崎大学みるく味」を発売。伝統を大切にしながら新しい味にも挑戦している。
金城堂本店
0985-24-4305
宮崎県宮崎市橘通東2-2-1
営業時間/10時~17時
定休日/日曜
つきいれ餅 ミックス6個(袋)入り440円、ミックス12個(箱)入り870円