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ふるさとの銘菓

    第7回 京氷室(京都府京都市)

    2015/03/06

     氷室とは、冬の雪や氷を貯蔵する、いわば天然の冷凍庫。古来、夏になると氷室から出した貴重な氷を朝廷に献上するのが習わしだった。そんな貴重な氷を模したのが、「京氷室」だ。寒天と砂糖を混ぜて固め、乾燥させた〝干し琥珀〟といわれる半生菓子の一種。文化3年(1806年)創業の柏屋光貞の夏の銘菓である。

     砂糖は白ザラメ。寒天は京都の丹波や信州諏訪などでその年にできた最新のものを使用。古いと天草の色がついてしまい、白く仕上がらないという。作り方の要は寒天と砂糖の煮詰め加減。柔らかすぎると乾燥させたときに溶けてしまい、煮詰めすぎると中に節のような塊ができてしまう。吟味した素材を熟練の技と心が端正な菓子へと仕上げていく。

     涼しげな外見。表面はシャリシャリ、中は柔らか。透明でキラキラと輝く断面が美しい。甘さはすっきりとして上品だ。

     冷たいものを手軽に楽しめる現代。夏の氷に憧れた、いにしえの贅沢に想いを馳せるのもいい。


    柏屋光貞
    075-561-2263
    京都府京都市東山区安井毘沙門町33-2
    営業時間/10時~18時
    定休日/日曜・祝日
    1個100円 青楓1枚55円 桶入り1箱(30個+5枚)3,500円 (6月~8月限定)