第4回 のし梅(山形県山形市)
2015/03/06竹皮をむくと、さわやかな梅の香りが立ち、含むと、しっとり。口中に上品な甘酸っぱさが広がる。
「のし梅」は、山形の伝統菓子だ。紅花から採る紅の発色をよくする梅の酸の必要から、梅の栽培が盛んだったこの地ならではの銘菓。完熟した梅を煮て種を除き、すりつぶして、砂糖、水あめ、寒天を混ぜて練り、薄くのして竹皮で挟んだものだ。
始まりは古く、文政年間。山形藩主の典医、小林玄端が長崎での勉強中に中国人から梅醤を原料とする薬の製法を教わったことから。帰郷後、梅醤に粗糖を混ぜ合わせて笹の葉にのし、暑気よけに用いたのが始まりだという。
この妙薬が菓子に生まれ変わったのは、明治15年頃。白砂糖を使い、抗菌・防腐作用のある竹皮にのし、現在の形になった。宝暦4年創業の玉屋総本店では、口伝で受け継いだ製法を守りながら、現代の製果技術も導入。子どもから大人まで、幅広く好まれる味に仕上げた。竹皮のまま、鋏で適当な大きさに切っていただく。
玉屋総本店
023-623-0558
山形県山形市鉄砲町3-2-16
営業時間/8時30分~17時30分
定休日/日曜、祝日
のし梅10枚(ボール箱)1,050円