第42回 鶴子まんじゅう(青森県八戸市)
2017/01/28黒糖を使用した皮でこし餡を包んで焼き、白い落雁粉をたっぷりまぶしたまんじゅう。初代が地元で広く親しまれている櫛引八幡宮に、「銘菓が授かりますように」と祈願したところ、夢に鶴が現れ、また当時つるさんという女性客がよく買いに来ていたことから、「鶴子まんじゅう」と名付けたという。
大正10年(1921)の創業以来、包餡作業以外はすべて手作業。真鍮製の大きなボウルに黒糖の蜜と地元産の小麦粉を入れ、ボートを漕ぐオールのような道具で混ぜる。ミキサーでこねると生地の食感が違ってしまい、焼き上がりに影響するのだという。焼き上がったら、手で揺すりながらむらなく落雁粉(米粉)をまぶす。
真っ白な姿は北国の雪をまとったよう。口にすると米の香りがかすかに鼻に抜ける。食感はザクっとしてやや堅め。噛みしめるにつれ黒糖の独特の風味と餡の控えめな甘みが調和し、味わい深い。縁起のいい名前も魅力の八戸の代表銘菓。伝説に思いを馳せながら味わってみるのもいい。
萬榮堂
ご注文・問い合わせ
TEL0178-27-3017
青森県八戸市大字八幡字五日町2-9
営業時間/8時30分~19時
定休日/火曜
鶴子まんじゅう 6個入り540円 8個入り(箱)1,000円