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ふるさとの銘菓

    第35回 ういろう(神奈川県小田原市)

    2016/05/28
     全国に「ういろう」と名のつくお菓子があるが、その本家本元となるのが、小田原にある外郎家である。室町時代、典医として朝廷に仕えていた折、国賓のもてなしに、当時貴重だった黒砂糖を用いた米粉の蒸し菓子を考案し、いつしかその菓子が評判となり家名より「ういろう」と呼ばれるようになった。黒砂糖は貴族の栄養剤として使われており、医薬に通じていたからこそできた菓子という。
     外郎家は1504年に北条早雲に招かれて小田原に定住。暖簾分けはせず一子相伝で製法は守り続けている。現当主で二十五代目、神奈川県で最も古い商家である。昔から手作業を基本に大量生産せず、先祖の思いである「もてなしの心」を大切に小田原でのみ販売としている。
     本家本元の「ういろう」はもっちりとした食感とほのかな甘さが特徴で白砂糖・抹茶・小豆・黒砂糖・栗の5種類。
     お城のような独特な店構えも伝統のひとつ。いにしえより伝わる老舗の心と味を堪能したい。

    ういろう 
    問い合わせ 
    0465-24-0560 
    小田原市本町1-13-17 
    営業時間/10時〜17時 
    定休日/水・第3木曜
    ういろう(白・茶・小豆・黒)各1棹600円 栗ういろう800円