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ふるさとの銘菓

    ふるさとの銘菓

    全国の郷土のお菓子を紹介。実際に食べての味わいや食感、歴史や開発秘話も。
    ※2019年10月の消費税法改正法等により、料金が変更になっている場合ございますので、店舗に確認の上、ご利用ください。

    第89回 サーターアンダギー(沖縄県那覇市)

    2024/06/29
    松原屋製菓 
    ご注文・問い合わせ 
    TEL098-863-2744
    沖縄県那覇市松尾2-9-9 
    サーターアンダギー(黒糖、白糖、紅芋) 各120円

     小麦粉と卵、砂糖を混ぜ合わせた生地を油で揚げたサーターアンダギー(サーターは砂糖、アンダギーは揚げ物の意)は沖縄のおやつの定番。琉球王朝時代、中国から技術を学んだ宮廷料理人が伝えたとされる。
     市場本通りの商店街で70年以上続く松原屋製菓は、1日千個を売り上げることもある人気店だ。宮古島出身の創業者、松原ヨノシは戦後の苦しいなか、4人の子どもを育てながら那覇の平和通りで黒糖飴の立ち売りをして生計を立てていた。やがて長女ミヨ子夫婦が和洋菓子を手がけ、旧正月や旧盆の繁忙期には家族全員が不眠不休で菓子作りを手伝い、今がある。
     数ある沖縄菓子のなかでも人気商品のひとつであるサーターアンダギーはプレーンと黒糖、紅芋の3種類を販売。油っこすぎない優しい味わいが人気の秘訣だ。世代を超えて受け継がれた家族の味は、いまも沖縄のソウルフードとして、また、結納や米寿などの祝事に飾る縁起物としても多くの人に親しまれている。