先の予測が難しいこれからの時代を生きていく今の子どもたちに、私立中高一貫校ではどんな教育が行われているのかを取材。そのユニークな取り組みをコラム連載で紹介する。
グローバルな探究授業で生徒が各国の大使に!? ①
横浜市内の中高一貫校で行われているのは、中3生が3〜4人のグループで各担当国の大使となり、1年を通してその国が抱える問題の解決に取り組む「15歳のグローバルチャレンジ」。担当国の魅力や問題点を知り、他国とのさまざまな交渉に臨む。各国の大使は自国の国益を守りつつ、より良い世界の実現を目指して議論を進めていく。学年末に開催される「模擬国連会議」で、与えられた議題の「全会一致の決議」を目指す活動だ。同校の部活動の一つで、世界大会7年連続出場、この5月に念願の優勝を果たした模擬国連部の活動をもとに、授業では「日本の中学校3年生」という立場を捨て、他国の視点からより深く世界の問題に向き合う。
担当国の基本情報を書籍やタブレットで調べ、レポートにまとめるところから授業がスタート。今学期は自国の魅力をPRするプレゼンテーション大会や、自国が抱える問題点を調べ、世界全体で解決したい議題を1つ設定するなど、「グローバルな視点」を意識して活動していく予定だ。
授業が始まって2か月、担当国の魅力を伝えるプレゼンテーションの準備が進んでいる。国の特徴を捉えたキャッチコピーを考え、持ち時間5 分のシナリオを熱心にディスカッション。回が進むにつれ、生徒たちには「自分の国を何とかしたい」という強い思いが芽生えてきたそう。
この授業を通して、プレゼンテーション能力・国際問題への問題意識の向上、多角的な視野の獲得が期待されるという。ユニークな取り組みを連載で紹介していく。
———————————————————————————————————————-
取材協力:桐蔭学園中等教育学校
横浜市青葉区鉄町1614
TEL 045-971-1411(代表)
http://toin.ac.jp/ses/