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特 集

    男女共学中等教育学校の新カリキュラム「6年間のロードマップ」。5年次(高2相当)に実施される「プレゼン型三者面談」の様子を現6年生(高3相当)の長谷井遼太郎さん、武井くるみさん、6年生の担任である金澤真理子先生に伺った。(以下、敬称略)

    大学へ、そして社会へ 最上級生が抱くありたい自分

    • 「キャリアアンカーを見据えることで社会とのつながりを自覚できるようになります」と話す
      金澤真理子先生(右)。長谷井遼太郎さん(中)は法学部、武井くるみさん(左)は医学部を目指す。

    「6年間のロードマップ」の最終ステージとなる5〜6年生ではどんな取り組みが行われますか

    金澤 生徒たちが学校生活などで経験してきたことをもとに、自分のありたい姿について考え、それを実現する進路について考えていきます。この「自分のありたい姿」を支える根拠となるのが「キャリアアンカー」で、自らのキャリアを形成する際に最も大切で譲ることのできない価値観を指します。5年次には、キャリアアンカーに基づいた「生徒プレゼン型の三者面談」を実施します。この三者面談で、生徒は自分の将来とそれを実現する進路、その進路に向けた受験勉強の計画について、保護者と担任に自分の言葉で語ります。ここが6年間のロードマップにおける一つの到達点と考えています。

    ご自分の将来について、どのように考えていますか

    武井 小さい頃から医者になりたいという夢がありました。体が弱く、近所の診療所の先生に長年お世話になっていたのですが、その先生との出会いを通じて、医者になりたいと思うようになりました。4年生の探究の授業で大学の学部をひと通り調べたときに、進路を医学部に定め、漠然とした思いが現実的になりました。

    長谷井 私は世界の困っている人たちを助けたいという思いがあります。私は一時期フィリピンの日本人学校に通っていました。その際、ゴミ山があった地域を訪れるツアーに参加しました。そこで現地の家庭を訪問させてもらったり、日本のNGOの方たちから子どもたちが学校へ通えるようにする支援活動などについてお話を伺ったりしたことが印象に残っています。進路は法学部に進みたいと考えています。国際関係にも興味があるので、大学では法律と国際問題について学びたいです。

    キャリアアンカーを考える上で、5年間の探究の授業は大きな影響があるのですね

    武井 昨年、私は「高齢者の孤立死」について探究の論文を書きました。そのために、地域社会で高齢者が孤立しないようにするにはどうすべきかをテーマに、練馬区役所とNPO法人に取材に行きました。いろいろな人の話を聞き、調べていただけでは分からなかったことが見えました。

    長谷井 私はフィリピンのバナナについて発表しました。身近なバナナも元をたどると低賃金で苦しんでいる労働者が多くいることが分かりました。大学の教授にインタビューしてフェアトレード商品のことを知ってからは、私たち消費者が人権や環境に配慮した商品を買うべきだと思いました。

    金澤 探究の授業では生徒の前で発表する機会があり、そこで出た疑問や質問に答えることで研究を深めることができます。

    将来のビジョンがまだはっきりしていない生徒さんにはどのような助言をされますか

    金澤 興味関心のある分野にアンテナを立てつつ、今できることに一生懸命取り組もうと声かけをします。その中に自分の将来を考えるヒントが見えてくるからです。

    武井 私も医学部を目指していますが、もし叶わなかった場合は薬学部という選択も視野に入れています。最終目標は医療関係の仕事に就きたいので。

    金澤 大学はゴールではありません。その先のありたい自分に近づくための手段です。三者面談はそれを生徒自身が考え、言語化して意思表明をする場なのです。


    • 中等教育学校6年間の
      ロードマップ
    • 三者面談では、
      生徒が自分の将来について
      保護者と担任に向けて語る
       
    • 広々とした校舎で、仲間とともに
      6年間じっくり人間性を
      育むことができる

    過去の連載はこちら

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    取材協力:桐蔭学園中等教育学校

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    http://toin.ac.jp/ses/


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