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特 集

    先の予測が難しいこれからの時代を生きていく今の子どもたちに、私立中高一貫校ではどんな教育が行われているのかを取材。そのユニークな取り組みをコラム連載で紹介する。

    データサイエンスを学び、活用!②

    toincolum22_02_IMG_3129まずは講義形式でデータサイエンスの基礎を理解する










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    専門家の先生に積極的に質問する生徒がたくさん

     toincolum22_02_IMG_3135グループワークでは活発な意見が交わされる

    横浜市内の中高一貫校で行われているデータサイエンスを中心とした探究授業「16歳のサイエンスチャレンジ」。同校の教育の柱の一つである探究授業「未来への扉」の4年生(高1生相当)の授業で、次世代を見据えたプログラムだ。

      4月のガイダンス講義を経て、実際のデータを見ながら理解を深める段階に入ってきた。データサイエンスのプロセスは「課題設定→調査・計画→仮説立案→データ収集→分析→結論」が基本。このサイクルを繰り返しながらさらなる課題発見につなげていく。一例として、生徒はここ15年のホットケーキとパンケーキの検索件数の動向のデータにチャレンジした。2013年中頃にパンケーキの検索件数が上昇、2020年4月にホットケーキの検索件数が上昇、というデータから何を読み取るか、という課題だ。折れ線グラフを分析し、①特徴的な箇所を発見する、②パターンや周期性を見つける、③想定や仮説を書き足す、などの手法を学んだ。(解釈の例として2012年にアメリカ発のパンケーキ人気店が日本出店、2020年4月はステイホームによる需要増加などが挙げられる)

      これらの基礎を学んだあと、いよいよ身近なテーマでデータサイエンス活用に取り組む。課題は「文化祭の来場者を増やすためにはどうしたらいいか」。文献調査、アンケート調査などの手法を利用して課題解決にチャレンジする。グループワークの様子をのぞいてみると、「受験生にアプローチすると効果的かもしれない。青葉区と都筑区の受験生がどれくらいいるのかを調べたらどうか」「卒業生への告知を強化したらどうか。同窓会に聞いてみる?」「SNSの活用は外せない!」など、活発に意見が交わされた。


     生徒たちはグループごとにスライドを作り、授業最終回でのプレゼンテーション大会に備えている。データサイエンスを活用した発想に期待が高まる。担当の杵村教諭は「データサイエンスと聞くと難しい印象ですが、生徒たちは身近なテーマにもデータが隠れていることを発見しつつあります。データを理解し、課題への活用を模索している姿を嬉しく思います。生徒たちのやる気にこちらが圧倒されています」と手ごたえを語った。

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    取材協力:桐蔭学園中等教育学校

    横浜市青葉区鉄町1614
    TEL 045-971-1411(代表)
    http://toin.ac.jp/ses/


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