先の予測が難しいこれからの時代を生きていく今の子どもたちに、私立中高一貫校ではどんな教育が行われているのかを取材。そのユニークな取り組みをコラム連載で紹介する。
データサイエンスを学び、活用!①
横浜市内の中高一貫校で行われているのは、データサイエンスを中心とした探究授業「16歳のサイエンスチャレンジ」。同校の教育の柱の一つである探究授業「未来への扉」の4年生(高1生相当)の授業で、次世代を見据えた意欲的なプログラムがスタートした。この授業ではデータサイエンスに関連した知識のほかに、データを基にした問題解決のために重要な、分析力、思考力などの要素をバランスよく学ぶ。未来を担う若い世代が、社会で求められるデータ活用の実践力をつけることができる内容だ。このプログラムはデータサイエンスの専門家を招聘し、全6回の授業を通じて仮説検証・問題解決を体験する構成となっている。
学期初めには、データサイエンスを専門とする研究者を招聘し、生徒たちは現代社会でデータサイエンスが果たす役割についての講義を受けた。そして、5月に入るといよいよ専門家の手ほどきを受け、日常生活でデータサイエンスが活用されている場について活発な意見が交わされた。生徒からは「YouTubeなどの動画サイト」「LINEなどのSNS」といった身近な例が挙がったほか、講師からは「渋滞の予測」や「野球の守備シフト」など、実際にビッグデータが使われる場面が紹介された。
授業が始まって1か月、生徒たちは「データサイエンスを活用して様々なことにチャレンジするのが楽しみ」という思いが芽生えてきた様子。担当の杵村教諭は「自分の思いや考えを深めるために『データ』という側面から物事を見るという、新しい見方・考え方を獲得して、これからの探究活動をより豊かにしてほしい」と意気込みを語った。
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取材協力:桐蔭学園中等教育学校
横浜市青葉区鉄町1614
TEL 045-971-1411(代表)
http://toin.ac.jp/ses/